沈香についてより詳しく説明
沈香


1.沈香って何?どうやって出来るの?

沈香は、沈香樹の内に自然に出来た特有の油脂状物質が集まったものです。沈香樹は、瑞香科植物の一種で、野生の原生林の中に植生します。楠に似た樹木で、樹齢100年以上を経たもので、かつ次のような部分に沈香が出来ます。

・カサブタが出来た部分(傷を受けたり、虫に食われた後)
・枝分かれしたところ
・成長が阻害されたところ(枝や幹、根などが巨石などに当たって、
 伸びるのを妨げられたところ)
・樹木の風の当たる面の裏側で、湾曲したところ
・環境が急激に変化(悪化)した時に成長した部分
・その他の原因


こうした部分に、黒茶色~黒色の油脂状の物質が、点状、網目状(虎の毛皮の模様のような)、柱状(珍しい)に集まったものです。この独特の油脂状の集合物質を「沈香油」といいます。沈香油が著しく付着した部分は、燃やした時はもちろん、常温でも馥郁とした独特の香りを放ち、人々に深く愛されています。また、沈香樹の中で、沈香油脂を生じ、採集が可能な部分は、全株の1%に満たないのが普通です。

2.沈香は、どこでとれるの

 現在、全世界でもっとも重要な沈香の産地は、ベトナムとインドネシアにあります。
○ベトナム・・・主要な産地は、中西部の山地にあります。崑崗高原に産出するものは、特に品質が優れていますが、資源として、すでに枯渇の傾向にあります。
○インドネシア・・・インドネシア諸島のうちで、カリマンタン島とイリアン島で現在少量の産出があり、比較的良質の沈香が採れます。このほか、各島でも、2,3の産地が開発されていますが、採取量はわずかです。

3.ベトナム産とインドネシア産の沈香の違い

ベトナムでは、沈香の採集はすでに100年以上の歴史があり、大量に中国に輸出されてきました。一方、インドネシアで沈香が採取され始めたのは、ここ20年くらいのことです。またインドネシア産沈香は、香りが濃厚で、ベトナム産沈香は木質がやわらかく、油脂の層が比較的薄い為、清々しい香りです。ベトナム産の沈香は、また沈香樹の自然成長環境が原因で、現在では、沈水黒沈香の塊を採る事は、もはや不可能といえます。
インドネシアのカリマンタン島の原生林では、少量ですが、珍貴な沈水黒沈香の塊を採集することができます。しかし、その量は沈香生産量の0.1%以下で、ごくごく限られています。台湾の製香業では、国人の嗜好にあわせて、ベトナム産沈香を採用するのが一般的で、国人のもっとも愛好するものです。一方、仏像の彫刻や円珠の製作に用いるときは、インドネシアの黒沈香の塊が珍貴なためにより好まれます。

4.死んでる沈香「死沈」・生きている沈香「活沈」とは?

 沈香樹は、繁茂した原生林の中でも、ごくまれにしか成長しない樹です。数百年間成長した後、老化して自然枯死し、幹が地面に倒れた後、木質部が風化され、腐食して次第に消失してゆきます。しかし、沈香油脂を含んだ部分は、風化に耐えて腐食せず、残存します。この種の沈香薄片は樹株が死んだ後に拾われるので、「死沈」と呼ばれます。「活沈」は、沈香樹がまだ生きている間に伐採されたものを指します。
沈香片は油脂分に富むほど良質である、と製香業者たちは言っています。ですから、木質部が腐食消失し、油脂を含む部分だけがわずかに残っている「死沈」が、表面は枯れ乾き、大きさは不ぞろいであっても、製香業界で最も佳いものとみなされているのは当然といえましょう。「活沈」は、活きた株を伐って得ることにより、木質部を含んでいます。しかし乾いた外表は浄らかで、どの塊も比較的大きく、形が整っていますので、彫刻などの造形に好適といえます。「死沈」は何十年に及ぶ風化作用を受け、また土壌の地下に埋没していたため、その表面部分は、なんの香りも味わいもありません。わずかに燃焼した時に、沈香らしい香りがするだけです。「活沈」は、新鮮な生きた株から採集されるため、燃やした時はもちろん、燃やさない前から沈香の香りを漂わせています。

5.沈香のグレードどうやって見極めるのか?

沈香のグレードを分類する三大要素は、香り、重さ、黒さです。
<香り>
沈香が人々の愛好を受け、仏事の際に宝物として供えられる理由は、その独特で他に替えるべくもない清々しい香味にあります。品質の優れた沈香は、燃やさないうちから淡々とした香気を発して、人を酔わせます。手に握れば、後々までもその移り香が留まります。燃やした時には、ほとばしるが如く、抗い難い香気を放って、人を香りの世界に魅了させるのです。
<重さ>
油脂分の多い沈香は、比重も大きく、重厚感があって、いっそう人々に好まれます。一般的に言えば、油量の多い少ないで沈香を分ければ、「沈水」あるいは「不沈水」に区分でき、重くて水に沈むものは、量が少なく珍品といえます。
<黒さ>
通常、黒味のある沈香は、それだけ油脂の量が豊富なことを表しています。烏黒色の脂光沢を示すものは、その中でも極上品です。灰黒色あるいは褐色のものは、その次に位します。

6.沈香の真価は、どうやって鑑別するの?

(1)見る  完全に黒いものは本物ではない。泡油で作ったもので、
香味はあるけれど、薬臭さが混じる。
(2)聞く  淡々とした特有の沈香味があるものだけが本物です。香味のないものは、疑うべきです。
(3)焼く  さらに一歩進んで確認したければ、灼熱した針の先端を用いて、円珠や彫刻の目立たないところ(円珠の洞や彫刻の底部)に当てます。本物であれば、必ず沈香の香りが経ちますから、真贋偽りようがありません。
(4)裂く  泡油で煮た沈香は裂いてみると、その中まで真っ黒です。本物は、かならず白黒部分があります。泡油珠は燃やすと、膨らんで黒煙を出します。

7.伽羅と沈香の違い

奇楠(伽羅、キャラ)は沈香の一種で、やはり沈香樹から産するものです。また、奇楠という言葉は、ベトナム産の沈香の一部に使われますが、インドネシア産沈香には用いません)。燃やすと、その香りの中にねっとりした油味が混じり、黒色は一定しません。数量が少ないことと、神秘的な色合いを帯びているため、市場では破格の高値を呼んでいます。しかし、実体は沈香と奇楠とは同じもので、両者間の境界は定かでありません。

8.沈香の効用

(1)沈香は天地の精華が集まった宝物です。製香業で は最上の材料となります。
   色々ないいメリットはありますが、香りで気持ちをリラックスできます。

9.「烏沈」 「水沈」とは? 

(1)「烏沈」とは、見た目がより黒っぽい沈香を指すと思われます。油脂分の多いものはそれだけ黒くなり、人々の人気があるので、値段もより高くなります。
(2)「水沈」とは、水中に入れると沈む沈香のことでしょう。この類の沈香は通常見た目の色が深く、褐色から黒色のものが多いです。水に沈むということは、比重が重いことを示しています。またこれは油脂分が豊富に含まれていることも示しています。
(3)油脂を多く含み、黒く、水に沈む沈香は、「烏沈」とも「水沈」ともあるいは、「烏水沈」とも呼ぶことが出来ます。

10.沈香の採取方法

沈香樹は、樹木の密集したジャングルの中に育ちます。人の住まない、辿り着くのが困難な場所です。沈香を採集するには、専門的な技能が求められます。数人でパーティーを組み、簡単な工具だけを携えて、徒歩で奥知れぬ山林の中に深く進入してゆきます。通常、一回の採集に要する期間は少なくて20日、長いと2,3カ月かかります。その間、世間から隔絶した環境で、かすみを食べ、夜露に濡れ、猛獣や蚊や虫を払い、非常な危険と辛苦を経験することになります。
それでも質のよい沈香がいつも採集できるとは限りませんし、道に迷ったり、食料がなくなったり、戻ってこられる何の保証もないのです。
現在、インドネシアでは、資本力のある経営者が、ヘリコプターをレンタルして、雇った採集者をジャングルに送り込んでいます(一時間300元)。深山に至り、人員を降下させ、戻ってくる日を約束してヘリを帰します。そして、10日あるいは20日後に補充の食料や交代人員を載せたヘリが再び現地に来て、採集した沈香などを載せて帰るわけです。

11.沈香の保管の仕方

(1)沈香の彫り物や円珠正常な状況にあれば何の処置をとる必要もありません。数百年あとになっても、人を酔わせる沈香の香味を保っていることでしょう。
(2)沈香の数珠を手に戴くときは、脂汚れや洗剤などがつかないように気をつけて下さい。そうすれば、もともとの品質と香りを長く保つでしょう。
(3)みなさん、沈香の仏珠を使った後は、布で包んでおくか、ビニール袋に入れておき、清浄に保つよう心がけましょう。
 

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