お香関する十の得。 古くから香に関する訓や効用を記したもので、香りは量ではなく、質が重要としている。 - 感格鬼神 感は鬼神に格(いた)る - 感覚が鬼や神のように研ぎ澄まされる
- 清淨心身 心身を清浄にす - 心身を清く浄化する
- 能除汚穢 よく汚穢(おわい)を除く - 穢(けが)れをとりのぞく
- 能覺睡眠 集中できる - 眠気にとらわれず集中してリラックス
- 静中成友 静中に友と成る - 孤独感を拭う
- 塵裏偸間 塵裏に閑(ひま)をぬすむ - 忙しいときも和ませる
- 多而不厭 多くして厭(いと)わず - 多くあっても邪魔にならない
- 寡而為足 少なくて足れりと為す - 少なくても十分香りを放つ
- 久蔵不朽 久しく蔵(たくわ)えて朽ちず - 長い間保存しても朽ちない
- 常用無障 常に用いて障(さわり)無し - 常用しても無害
※「香の十徳」は11世紀の北宋の詩人黄庭堅(こうていけん)の作で、 その後、一休禅師(一休さん)によって日本に紹介されたと言われています。 香の効用を端的に、そして格調高く伝える詩文と言えます。
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